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年末年始に読みたい小説|ゆったり過ごす年始におすすめ名作9選

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お正月は、一年の中でもっとも「時間の流れ」が緩やかになる季節です。仕事や日常の雑事から少し距離を置き、家族と過ごしたり、一人で静かな時間を味わったり――そんな余白の中で読む一冊は、普段以上に心に深く残ります。

この記事では「お正月に読みたい小説」をテーマに、ミステリー、ヒューマンドラマ、長編ファンタジー、古典文学、感動作まで幅広く網羅しました。いずれも“年始だからこそ読みたい”という観点で選んだ名作ばかりです。

目次

迷ったらこの2冊|お正月読書にまず選びたい名作

「どれを読むか決めきれない」「お正月に失敗しない一冊を選びたい」――そんな方のために、まずおすすめしたい2冊はこちらです。

▶ 辻村深月『傲慢と善良』

人との関係性や自分自身の価値観を静かに揺さぶる一冊。新年という節目に読むことで、これからの生き方や向き合い方を見つめ直すきっかけになります。読み応えがありつつも、物語性が高く一気読みできる点も魅力です。

「今年は人との向き合い方を大切にしたい人」におすすめ

▶ 馳星周『少年と犬』

喪失と再生、そして無償の愛を描いた感動作。静かな時間の中で読むことで、心の奥にじんわりと沁み込みます。涙を流すことで、気持ちをリセットしたいお正月読書に最適です。

「心を整えて一年を始めたい人」におすすめ

お正月らしいミステリー

新年の空気には、過度に刺激的すぎない、どこか余韻の残るミステリーがよく似合います。静かな時間の中で、人間の心理や日常の歪みに向き合える作品を選びました。

東野圭吾『素敵な日本人』

東野圭吾といえば、緻密なトリックとスピード感ある展開で知られる国民的作家ですが、『素敵な日本人』は少し趣の異なる短編小説集です。本作の大きな特徴は、年末年始という日本人にとって特別な時間を舞台にしている点にあります。

表題作を含む複数の短編は、どれも派手な殺人事件が起こるわけではありません。しかし、日常の中に潜む小さな違和感や、人が無意識に抱えている後悔、見栄、優しさが、静かに浮かび上がってきます。

例えば、年越しそばや初詣といった日本的な風景の中で描かれる人間関係は、「自分もこんな経験があったかもしれない」と感じさせるリアリティに満ちています。ミステリーとしての謎解き要素を楽しみながらも、読み終えたあとにはじんわりとした余韻が残るのが本作の魅力です。

お正月は、新しい一年への期待と同時に、どこか過去を振り返る気持ちも芽生える時期です。『素敵な日本人』は、そんな心の揺れにそっと寄り添い、「人は不完全でも、それでいい」と語りかけてくれるような一冊と言えるでしょう。

短編形式のため、少しずつ読める点も年始向き。家族団らんの合間や、夜の静かな時間に1話ずつ読む読書スタイルにも最適です。

東野圭吾のその他作品はこちら

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お正月のスキマ時間に少しずつ読みたい方には文庫版がおすすめ。Kindle版なら帰省先でもすぐ読めます。

伊坂幸太郎『マリアビートル』

伊坂幸太郎作品の中でも、特にエンタメ性が高い一冊が『マリアビートル』です。新幹線という密閉された空間を舞台に、複数の殺し屋たちの思惑が交錯するサスペンス小説で、ページをめくる手が止まらなくなる疾走感があります。

一見すると、お正月の「ゆったり読書」とは対極にあるように思えるかもしれません。しかし実際には、移動・旅・再出発といったテーマが物語の根底にあり、新年との相性は抜群です。

伊坂幸太郎らしい軽妙な会話と、ブラックユーモアに満ちた語り口は、重くなりがちなミステリーを驚くほど読みやすくしています。個性的な登場人物たちは、それぞれが過去や信念を抱えながら、新幹線という“運命のレール”に乗せられて進んでいきます。

お正月は時間がまとまって取れるため、こうした一気読みタイプの作品に挑戦するには最適です。三が日に一気に読み切ることで、読後の爽快感と達成感を味わえるでしょう。

「新年早々、頭をフル回転させたい」「読書のエンジンをかけたい」という方に、強くおすすめしたい一冊です。

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三が日に一気読みしたい方はKindle版が最適。映像化で話題の原作を年始にまとめて楽しめます。

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ゆったりとした時間を過ごせる物語

お正月は、頑張りすぎた心と体を休ませるための時間でもあります。そんな時には、優しく、静かに寄り添ってくれる物語が最適です。

瀬尾まいこ『夜明けのすべて』

『夜明けのすべて』は、PMS(月経前症候群)とパニック障害という、それぞれに生きづらさを抱えた男女が、同じ職場で出会い、少しずつ関係を築いていく物語です。

この作品には、大きな事件も劇的な展開もありません。しかし、その分、日常の何気ない言葉や行動がとても丁寧に描かれています。相手を理解しきれなくても、無理に励まさなくても、ただ「隣にいる」ことの尊さが伝わってきます。

お正月は、「今年は頑張ろう」と気合を入れがちですが、本作はそんな肩に入った力をそっと抜いてくれます。「無理に前向きにならなくてもいい」「人は弱いままで生きていい」――そうしたメッセージは、新年に読むからこそ深く心に響きます。

文章は平易で読みやすく、普段あまり小説を読まない方にもおすすめです。静かな感動を味わいたいお正月読書に、これ以上ない一冊と言えるでしょう。

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静かに読み進めたいお正月読書には紙の本がおすすめ。落ち着いた時間に、心を整える一冊です。

森絵都『カラフル』

『カラフル』は、一度命を絶った少年が、天使の導きによって別の少年の体に入り込み、再び人生を体験するという物語です。設定だけ聞くと重く感じるかもしれませんが、語り口は驚くほど軽やかで、ユーモアにも満ちています。

物語を通して描かれるのは、「人は誰しも完璧ではない」という当たり前でいて忘れがちな事実です。家族、学校、社会――それぞれが抱える問題は決して特別なものではなく、だからこそ読者自身の人生とも重なります。

お正月は、新しいスタートを切る象徴的な時期です。『カラフル』をこのタイミングで読むことで、「やり直しはいつでもできる」「世界は見方次第で色づく」というメッセージを、より前向きに受け取れるでしょう。

大人が読んでも深く考えさせられる一方で、中高生にもおすすめできる普遍性を持った名作です。世代を超えて共有できる一冊として、お正月の読書に最適です。

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新年に前向きな気持ちになりたい方へ。Kindle Unlimited対象の場合もあるので、対象者は要チェックです。

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長編ファンタジーでじっくり没頭

まとまった休みがあるお正月は、普段なかなか手を出せない長編作品に挑戦する絶好の機会です。

J.R.R.トールキン『指輪物語』

『指輪物語』は、現代ファンタジーの原点とも言える壮大な物語です。一つの指輪を巡る冒険を通して、善と悪、友情、犠牲、希望が描かれます。

物語の魅力は、単なる冒険譚にとどまりません。緻密に作り込まれた世界観、歴史、言語設定は、読むほどに深みを増し、まるで異世界に旅をしているかのような感覚を味わえます。

お正月という「時間に余裕のある時期」に、少しずつページを進めることで、この作品の真価を存分に楽しむことができます。毎日数章ずつ読む“年始読書計画”を立てるのもおすすめです。

新しい一年の始まりに、壮大な旅立ちの物語を読む体験は、読書人生においても特別なものになるでしょう。

ロードオブザリングの名で映画化されています。

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長期休暇の年始には全巻セットがおすすめ。電子書籍なら巻数が多くても持ち運び不要です。

お正月にこそ読みたい古典・文学の名作

新年は、普段は後回しにしがちな古典に挑戦する絶好のタイミングでもあります。

夏目漱石『こころ』

『こころ』は、人間の孤独、罪悪感、エゴイズムを鋭く描いた日本文学の金字塔です。先生と私の関係を軸に、明治という時代の価値観の揺らぎが丁寧に描かれています。

静かな文体で進む物語は、お正月の落ち着いた空気と非常によく合います。騒がしい日常の中では見落としがちな登場人物の内面も、じっくり味わうことができるでしょう。

年の始まりに読むことで、「自分はどう生きたいのか」「他者とどう向き合うのか」といった根源的な問いに向き合うきっかけになります。

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新年にじっくり向き合いたい名作。青空文庫で試し読みしてから購入するのもおすすめです。

瀬戸内寂聴訳『源氏物語』

『源氏物語』は、日本文学史上最大級の長編恋愛小説ですが、「難しそう」というイメージから敬遠されがちです。瀬戸内寂聴による現代語訳は、その敷居を大きく下げ、多くの読者に親しまれています。

人の心の移ろい、愛と執着、喜びと哀しみが、千年以上前の物語とは思えないほど鮮やかに描かれています。時間のあるお正月に、少しずつ読み進めることで、日本文学の奥深さを再発見できるでしょう。

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時間のあるお正月は分冊版・電子版が読みやすくおすすめ。少しずつ日本文学を味わえます。

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心に響く感動の物語

一年の始まりには、心を大きく揺さぶる物語を読むのもおすすめです。

辻村深月『傲慢と善良』

『傲慢と善良』は、婚約者である坂庭真実が突然姿を消すところから始まります。残された西澤架は、彼女の行方を追う中で、真実がこれまで歩んできた人生や人間関係、そして自分自身が見落としてきた事実と向き合うことになります。

本作の大きな特徴は、「婚活」という現代的なテーマを通して、人が無意識に抱いている価値観や思い込みを容赦なく描き出している点です。私たちは自分のことを“善良な人間”だと信じて疑いません。しかし、相手を選ぶ立場に立った瞬間、知らず知らずのうちに傲慢になってはいないか――その問いが、物語全体を通して読者に突きつけられます。

前半はミステリーのように進行し、失踪の理由を探る過程で緊張感が高まっていきます。後半になるにつれ、視点が変わり、真実の内面や過去が明らかになる構成は圧巻です。読者は次第に「どちらが正しいのか」「自分ならどうするのか」と、自身の価値観を試されることになるでしょう。

お正月という節目の時期は、自分の生き方や人との向き合い方を見直すのに最適なタイミングです。本作を読むことで、これまで当たり前だと思っていた考え方が揺さぶられ、新しい一年をより誠実に生きるためのヒントを得られるはずです。

恋愛小説としても、心理小説としても読み応えがあり、「読む人を選ぶが、刺さる人には深く刺さる」一冊です。

辻村深月のその他作品はこちら

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新年に人間関係や価値観を見つめ直したい方へ。話題作なので在庫切れ前にチェックしておくのがおすすめです。

馳星周『少年と犬』

『少年と犬』は、一匹の犬・多聞が、日本各地を旅しながら、さまざまな人々の人生と交差していく連作短編集です。舞台は東日本大震災後の日本。多聞は、常に「南の方角」を目指すかのように歩き続けます。

各章ごとに主人公は異なり、孤独を抱える人、過去に後悔を残す人、人生に行き詰まった人など、さまざまな境遇の人々が描かれます。多聞は言葉を話さず、ただそばにいるだけですが、その存在が人々の心を静かに癒し、時には人生を大きく動かしていきます。

本作が多くの読者の涙を誘う理由は、犬と人との絆だけでなく、「喪失からの再生」という普遍的なテーマにあります。誰もが何かを失いながら生きている。その事実を受け入れ、それでも前に進もうとする人々の姿が、淡々と、しかし力強く描かれています。

お正月は、過去一年を振り返り、これからの一年を思い描く時間でもあります。『少年と犬』は、その静かな時間の中で読むことで、より深い余韻を残します。読み終えた後、そっと大切な人の顔を思い浮かべたくなる――そんな一冊です。

感動作でありながら、決して感情を押し付けてこない文体も魅力のひとつ。読書に慣れていない方でも、自然と物語に引き込まれるでしょう。

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感動作をじっくり味わいたいなら文庫版がおすすめ。涙腺が緩むお正月読書に最適です。

もう一度この2冊|お正月読書で後悔しないために

「結局どれを選べばいいかわからない」「まずは一冊、間違いない本を読みたい」――そんな方のために、記事の最後にもう一度、特におすすめしたい2冊をまとめます。

▶ 辻村深月『傲慢と善良』

新年という節目にこそ読みたい、価値観を深く揺さぶる一冊です。恋愛や結婚という身近なテーマを通して、「自分は本当に善良なのか」「相手を正しく見ているのか」と問いかけてきます。

読み終えたあと、世界の見え方が少し変わる――そんな体験をしたい方には、まずこの一冊をおすすめします。

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▶ 馳星周『少年と犬』

心を静かに整えたいお正月読書に、これ以上ふさわしい作品はありません。一匹の犬を通して描かれる人間の弱さと優しさが、そっと胸に染み込んできます。

涙を流すことで一年をリセットし、また前を向いて歩き出したい方に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

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まとめ|お正月の読書は一年を豊かにする

お正月に読む一冊は、その年の読書体験を大きく左右します。

  • 深く考えたいなら『傲慢と善良』
  • 心を整えたいなら『少年と犬』

まずはこの2冊のどちらかから始めてみてください。静かな年始の時間が、きっと忘れられない読書体験になるはずです。

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この記事を書いた人

読書をこよなく愛して30余年。
会社経営をしている手前、ビジネス書、自己啓発本など様々なジャンルも読む。
また、子供から大人まで楽しめるような小説など、幅広く読書を楽しんでいる。
ここでは読書の最高の楽しみ方、読書の始め方、おすすめの本など紹介していきます。

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