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重松清おすすめ作品10選|心に響く名作ランキング

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はじめに|泣けるだけじゃない、“生きる力”をくれる物語

「泣ける小説」と聞いて、真っ先に名前が挙がる作家――それが重松清です。
彼の作品には、家族、友情、赦し、そして再生といったテーマが通底しています。
派手な事件はなくても、どの物語にも“人が生きることの切なさと尊さ”が滲んでいるのです。

私は書店員として長年本を紹介し、年間100冊以上を読む読書家です。
その中で、重松清は「人生の節目で読み返したくなる作家」の筆頭。
本記事では、重松清ファンの視点から厳選したおすすめ作品ベスト10をランキング形式で紹介します。

目次

重松清とは?その作風と魅力

1963年岡山県生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て作家に。
1997年『ナイフ』で坪田譲治文学賞を、1999年『ビタミンF』で直木賞を受賞しました。

彼の作品は、家族・学校・職場といった“ごくありふれた日常”を舞台にしながら、
そこに潜む痛みや優しさをリアルに描くのが特徴です。
どの小説も「誰かに似た登場人物」がいて、「自分のことのように感じる」――
それが重松清文学の最大の魅力です。

重松清おすすめ作品ランキングBEST10

第1位:『流星ワゴン』

あらすじ(詳細)
主人公・永田一雄は、仕事で失敗し、家庭もうまくいかず、人生に絶望していました。
ある夜、彼の前に現れたのは、謎の親子が運転する「流星ワゴン」というワゴン車。
誘われるままに乗り込んだ一雄は、気がつくと自分がまだ若かったころの町にタイムスリップしていたのです。
そこでは、すでに亡くなった父親と再会し、かつての自分や家族との関係を見つめ直す時間が始まります。
過去を修正できるかもしれない――そう信じた一雄がたどるのは、痛みと再生の旅でした。

感想
「もし人生をやり直せるなら」という普遍的なテーマを、父と息子の物語として昇華させた傑作。
ファンタジーの要素がありながら、描かれる人間ドラマは圧倒的にリアルです。
涙の向こうに“生きる勇気”が残る、重松清の代表作です。

第2位:『とんび』

あらすじ(詳細)
昭和30年代、瀬戸内の小さな町。
不器用でまっすぐな男・ヤスは、最愛の妻を事故で亡くし、幼い息子アキラを男手ひとつで育てることになります。
仕事に追われながらも、息子の成長を支えるヤス。
しかし、父親としての未熟さから、時には失敗し、悩み、落ち込む日々が続きます。
そんな中で、町の人々の温かさに支えられながら、親子は少しずつ“家族”になっていく――。
やがてアキラが大人になり、自分の道を歩き始めるとき、ヤスの胸にはある想いが残ります。

感想
笑いあり涙あり、重松清らしい“父と子の愛の物語”。
不器用で愛情深いヤスの姿に、誰もが自分の父親や母親を重ねます。
家族小説の金字塔といえる名作。読後、きっと「家族に会いたい」と思うでしょう。

第3位:『ナイフ』

あらすじ(詳細)
いじめをテーマにした6つの短編集。
ある少年は、いじめの加害者となった自分を責め続ける。
また別の物語では、亡くなった友人の“声”が心の中で響き続ける。
それぞれの物語が、いじめという現実の痛みを真正面から描き出します。
決して救いばかりではありませんが、どの話にも“赦し”の光が差し込みます。

感想
中高生の読者に最も読まれている作品の一つ。
教育現場でも長年推薦されており、「重松清=人の心の痛みを描く作家」と印象づけた代表作です。
子どもにも大人にも、深く刺さる短編集。

第4位:『ビタミンF』(直木賞受賞作)

あらすじ(詳細)
タイトルの“F”は「Family(家族)」のF。
短編8作からなる本作は、家庭や夫婦、親子のすれ違いを丁寧に描きます。
リストラに怯える父親、妻との距離に悩む男性、子育てに疲れた母親…。
どの人物も、特別ではない“どこにでもいる大人たち”です。
しかし彼らが一歩を踏み出す瞬間には、静かな感動が訪れます。

感想
派手な展開はないのに、なぜか心が温まる。
それがこの短編集の不思議な魅力です。
家族に悩むすべての人に贈りたい、心の栄養剤のような作品です。

第5位:『エイジ』

あらすじ(詳細)
中学二年生のエイジは、同級生による殺人事件をきっかけに、社会の“善悪”や“正義”について考え始めます。
「彼は悪人だったのか?」「自分だったらどうしていたか?」
大人も答えを持たない問題に直面し、エイジは戸惑いながらも、自分なりの答えを探します。
家族、友人、教師――誰もが不完全な中で、それでも前に進もうとする。
この物語は、少年が大人になる痛みの記録です。

感想
思春期の“曖昧な正義”をここまでリアルに描いた小説は稀。
重松清の筆致が光る、青春小説の金字塔です。

第6位:『ステップ』

あらすじ(詳細)
30歳で妻を亡くした健一は、5歳の娘・美紀を育てながら新しい生活を始めます。
保育園の送り迎え、家事、仕事――何もかも初めての挑戦。
時間が経つにつれ、娘は少しずつ成長し、健一も少しずつ前を向けるようになります。
10年という月日の中で、父と娘は共に“生き直す”方法を見つけていくのです。

感想
悲しみと希望のバランスが絶妙な作品。
シングルファーザーのリアルな日常を優しく描きながら、読者に「家族の形は一つではない」と教えてくれます。
心の底から温かくなる感動作。


第7位:『青い鳥』

あらすじ(詳細)
転任を繰り返す国語教師・村内先生。
どこに行っても、生徒たちの心の問題に真正面から向き合い、静かに寄り添っていきます。
いじめ、不登校、家庭の問題――さまざまな苦しみを抱える子どもたちに、
村内先生は決して説教せず、ただ「君は悪くない」と語りかけます。
彼の存在が、子どもたちの心に小さな希望を残していくのです。

感想
優しさと静かな強さを兼ね備えた作品。
教師でなくても、親でも子でも、読む人の立場によって響き方が変わります。
重松清の“癒しの力”を最も感じられる一冊。

第8位:『疾走』

あらすじ(詳細)
母親を亡くし、父親にも見放された少年・シュウジ。
彼は愛情を知らないまま成長し、やがて裏社会へと足を踏み入れていきます。
暴力、裏切り、喪失――過酷な現実の中でも、彼は必死に「生きる意味」を探し続けます。
やがて出会う“ある少女”との関係が、彼の運命を大きく変えていくことに。

感想
重松清作品の中でも異色の“闇”を描いた長編。
しかし、その奥にあるのは「それでも人は生きようとする」希望。
読後には静かな祈りのような感情が残ります。

第9位:『きよしこ』

あらすじ(詳細)
吃音を持つ少年・きよしは、人前で話すことが苦手。
小学校から高校までの成長を通して、彼が少しずつ“言葉”と向き合い、自分の声を取り戻していく物語です。
友達との誤解、恋の苦しみ、家族との関係――どれも小さなエピソードながら、痛いほどリアル。
やがて彼は、「話せなくても、伝えることはできる」と気づいていきます。

感想
重松清自身の体験が反映された、自伝的で非常にパーソナルな作品。
静かで優しく、読む人の心を包み込むような温もりがあります。

第10位:『カカシの夏休み』

あらすじ(詳細)
田舎の夏休み、少年たちが過ごすひと夏の出来事を描いた短編集。
祖父母の家、祭り、秘密基地――懐かしい日本の原風景が広がります。
成長と別れ、友情と痛み。
どの物語も、少年期の“終わりの寂しさ”が丁寧に描かれています。

感想
夏の午後の光のようにやわらかく、どこか切ない。
子どもの頃の気持ちを思い出させてくれる一冊です。
大人になった今だからこそ沁みる作品。

重松清を読むならこの順番がおすすめ

初めて読むなら――
1️⃣ 『とんび』『ビタミンF』で家族愛を知る
2️⃣ 『流星ワゴン』で人生の再生を味わう
3️⃣ 『青い鳥』『エイジ』で子どもの心を感じる
4️⃣ 『きよしこ』『疾走』で重松清の深みを体感する

まとめ|重松清作品は“涙の向こうに希望がある”

重松清の小説は、泣けるだけではありません。
それぞれの物語が、読者に“生きる勇気”を与えてくれます。
誰もが抱える後悔や孤独を、彼は「それでいい」と優しく包み込んでくれる。

日々に疲れたとき、誰かを思い出したいとき、
重松清の本を開けば、きっとあなたの心の奥に“灯り”がともるはずです。

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この記事を書いた人

読書をこよなく愛して30余年。
会社経営をしている手前、ビジネス書、自己啓発本など様々なジャンルも読む。
また、子供から大人まで楽しめるような小説など、幅広く読書を楽しんでいる。
ここでは読書の最高の楽しみ方、読書の始め方、おすすめの本など紹介していきます。

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